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リーゼントにガリ勉メガネ中学生コス、大阪府警の「NO!危険ドラッグ」広報ビデオの出オチ感がえらいことに

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青少年にまで蔓延する危険ドラッグ。大阪府警が対策のために作成した広報ビデオの本気度が大きな話題を呼んでいます。

政府が危険ドラッグについての恐ろしさについて青少年向けにリリースした作品としては、「カイジ」シリーズの福本伸行が「政府広報オンライン」に書き下ろした短編漫画を以前BUZZAP!でも紹介し、大きな反響がありました。
「カイジ」の福本伸行が危険ドラッグの危険を描いた短編漫画が秀逸すぎると話題に BUZZAP!(バザップ!)
今回大阪府警が作成した「NO!危険ドラッグ」と題された広報ビデオは名前の通り、危険ドラッグの恐ろしさを知ってもらうための啓発用ビデオですが、大阪だけに単なる退屈な映像には終わりませんでした。
このインパクトは!! 警察官が体を張って「危険ドラッグNO!」 大阪府警が啓発動画 – 産経WEST
周知のターゲットとなっている中高生に親しみやすいようにということで、大阪府警の少年課員2人がなんと1人は巨大リーゼントの不良中学生、もう1人はガリ勉メガネの中学生のコスプレをして体当たりの演技で訴えかけています。配役設定が既に無茶ぶりな上にベッタベタです。だがそれがいいのです。

内容は、暇を持て余したリーゼント君が「ポリダッシュ」や「カゴダッシュ」をしようかと思いつく度にメガネ君にたしなめられ、「脱法ハーブ」でハイになることを思いついたところ、メガネ君渾身の反対をされるというもの。


どこの新喜劇かと思うような見た目や大阪全開のノリとは裏腹に、語られていることはもちろん至極まともです。動画は以下から。
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大阪府警察 警察署等の各種イベントビデオ
危険ドラッグの危険性に関しては、お手軽に買えることはもちろんですが、「闇鍋」と呼ばれる「何が入っているか分からない」という部分についても、もう少し言及されるべきでしょう。これまで人類が人体で実験したことのない未知の物質が使われており、治療法も分からない場合があるということはいくら強調されてもされ過ぎということはありません。
ただ、出オチ感は素晴らしいのですが、最後の部分がしっかりオチていないように見える辺り、大阪の中高生がどう判断するかは気になるところです。
なお、この動画の中で引き合いに出されている症例に関しては、池袋の暴走事件に加えて以前ネット上で神奈川県警が例示したものも含まれています。このページは以前ネットで話題になったこともありますが、非常に大切なので引用します。
◆事件・事故
・上半身裸の男が小学校に乱入して小学生を追い掛け回した
・女子高生を車ではね死亡させた
・3階の自分の部屋から飛び降りて、下半身裸になり付近の塀やフェンスを壊し自分がした大便を食べた
・親から身体に異物を入れられたと思い、包丁で自分の腹を切り腸を引っ張り出した後、裸で街中を走り回った
・誰かに追われているような気がして、車両を暴走させ6件の当て逃げやひき逃げを繰り返した
・歩行困難となっていたため病院搬送しようとしたところ救急隊員に暴行
・車で自爆事故を起こし死亡
・ふらふらしながら住居侵入した
◆体調異変
・裸で部屋の窓から物を投げるなどして暴れていた男性が死亡
・20代女性がホテルで危険ドラッグを使用後に死亡
・おう吐後意識が無くなり病院搬送されるも死亡
・車の屋根に上って暴れ、その後意識不明となり病院搬送されるも死亡
・裸で路上で暴れ、その後意識不明になり病院搬送されるも死亡
・突然暴れだし意識不明となり死亡
・身体がしびれ、寒気、気持ち悪くなり暴れた後意識不明で病院搬送されるも一時心肺停止状態
・全身大便まみれで路上に倒れ、うめいたり叫んだりしていた
・へらへら笑った後路上に倒れ意識が無くなった
・おう吐後意識が無くなった
・液体と粉末状の危険ドラッグを口にし、腹痛としびれ、呼吸困難になった
・暴れながらおう吐し続けた
・「うー」とうなった後、口から泡を吹いて倒れていたが、その後「殺すぞ」と言って暴れだした
・危険ドラッグを約10年間使用していた男性が首吊り自殺で死亡
・50代男性が自宅室内で変死
・全身がけいれんし顔面蒼白となり、その後錯乱状態となった
◆幻覚・幻聴・妄想等の精神症状
・全裸でマンションエントランスで暴れて110番通報された
・自室で上半身裸となり、刃渡り20センチのサバイバルナイフを机上に置き、「殺し屋がいる、殺される」と大声で叫んで暴れた
・パンツ1枚で意味不明の言動をしながら個室ビデオ店の店内を歩き回った
・「やくざに追われている」などと言って警察に助けを求めてきた
・カーナビを設定すると警察に行くようにしか設定できないと言って110番通報してきた
「マンション6階の自分の部屋に知らない人が入ってきた」と言ってベランダ伝いに隣家に助けを求めた
・駅に行こうとして走ったがいくら走っても駅に着かないと110番通報してきた
・一時間くらい歩いたが数十メートルしか進まない
・暴力団に追われていると言って助けを求めてきた
・知っている人の声に導かれて屋根に上った
・時計とエアコンが私を殺すと言っていると言って助けを求めてきた
・壁際で怖い誰かが自分を見張っている
・監視カメラで見張られている
・漫画喫茶で床の隙間から男が入ってきたと、下半身裸で助けてくれと言って叫び大騒ぎした
・足にダニが入ってくると言って暴れた
・神のお告げがあったなどと言い出した
・吐き気をもよおし、その後ビルの屋上から飛び降りたくなった
・「大きなものが身体の中に入って来て押さえきれない。足が痛い」等と言って暴れた
(神奈川県警察 危険ドラッグは「ダメ。ゼッタイ。」より引用)
敷居が低くだれにでも買える上に物質が何か分からず、治療法も不明な場合のある危険ドラッグ。麻薬や覚醒剤よりはるかに危険であるという事実が全国に広く周知されることが必要です。
【再掲】脱法ハーブがマリファナよりも危険であると言われる理由とは? BUZZAP!(バザップ!)

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コカイン、ヘロイン、覚醒剤がかつて合法だった時代の広告

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今は世界中で規制されているハードドラッグにもかつて合法だった時代がありました。その頃はどんなウリ文句の広告が出されていたのでしょうか。詳細は以下から。

コカ・コーラの最初期のレシピにコカインが入っていたり、覚醒剤がヒロポンいう名前で滋養強壮剤として売られているなど、今は違法薬物とされているハードドラッグも、発見当初は合法的に売られていたものも少なくありません。
では、その頃そうした物質はどのような広告の下で売りだされていたのでしょうか?
・コカイン
ローマ法王レオ13世がこよなく愛したとされるMariani Wineと呼ばれるワインはボルドーワインとコカの葉を用いた飲料。ショットグラス1杯辺りに6mgから7.2mg相当のコカインが入っていた計算になります。このMariani Wine、効能としては滋養強壮を謳っており、飲むとすぐに健康で強靭になり、活力が漲ってくるとされている辺り、まさにコカインの効き目そのものです。




また、それだけでなく喉の痛みや風邪、インフルエンザ用の錠剤、花粉症の薬、さらには歯痛や乳歯が生えるときの痛み止めにまで入れられていたというので驚きです。シャーロック・ホームズが愛用していたという作中の設定も頷ける広まり方ですね。




・ヘロイン
ヘロインと同様に阿片から作られるモルヒネは現代でも厳重な管理のもと鎮痛剤として医療用に用いられていますが、ヘロインは19世紀当時から頭痛や喉の痛みなどのための鎮痛剤、そしてまたもや幼児が乳歯の生えるときの痛みを止めて寝かしつけるためのシロップにも入れられていました。





確かに方向性としては大きな間違いではないのかもしれませんが、簡単に家庭で購入できてしまい、子供にまで使われていたというのはちょっとなかなか信じられません。
・覚醒剤
ご存知、大日本帝国時代の日本で開発されたのが覚醒剤。太平洋戦争の始まる1941年に大日本製薬がヒロポンを発売。特攻隊員に「突撃錠」としてヒロポンの錠剤が与えられた話は有名ですが、それ以外の戦闘員や軍需工場の作業員にも与えていました。
突撃錠、猫目錠―覚せい剤の軍事使用|覚せい剤問題の歴史4 弁護士小森榮の薬物問題ノート ウェブリブログ
効能としては疲労回復から眠気覚まし、作業効率アップ、頭脳の明晰化までが謳われています。ヒロポンは戦後の1950年までは合法で販売されており、焼け跡からのがむしゃらな復興を支えたという言い方をされることもありますが、その貢献度は定かではありません。




この時期には長谷川町子がサザエさんの前身となるマンガ「似たもの一家」でヒロポンを扱っていたりもします。作家の伊佐坂先生が執筆用にヒロポンを常備しており、ワカメとタラちゃんを思わせる子供たちが誤飲して「エヘラエへラエヘラ」と笑ったり東京ブギウギを歌い出したりとラリった様子を見せています。

(クリックで拡大)
今はどれも違法なドラッグとして厳しい規制のもとにあるこれらの薬物。同じような効能を謳ったものは現在でも存在し、滋養強壮や疲労回復、眠気覚ましを謳ったコカインや覚醒剤などのアッパー系ドラッグはカフェインや、カフェインを含んだエナジードリンクとなり、痛み止めとしてはロキソニンのような薬剤や、場所によっては医療大麻などが用いられています。
私達が日常的に使っているこれらの薬品やサプリなども、ある日突然危険性が指摘され、規制されて過去のものになってしまうのかもしれません。
Empire of Drugs Vintage ads for when cocaine and heroin were legal Dangerous Minds

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「ウルトラヘブン」の小池桂一が16歳で手塚賞に入選した幻のデビュー作「ウラシマ」が電脳マヴォで公開

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カルト的な人気を誇る「ウルトラヘブン」の作者、小池桂一さんが16歳の時に手塚賞入賞を勝ち取った作品「ウラシマ」が竹熊健太郎さんが責任編集を行うウェブ漫画サイト「電脳マヴォ」にて公開されました。

小池桂一さんは16歳の時、当時としては史上最年少で集英社の新人賞、第12回手塚賞に本作「ウラシマ」が入選してデビューを果たした漫画家。天才漫画家と将来を大いに期待されていましたが、少年ジャンプなどで連作を持つことなく単身渡米。
その後帰国して再び漫画を描き始めますが、非常に佳作であったことから知る人ぞ知る幻の存在でした。そんな彼が一躍脚光を浴びることとなったのが第1巻が2002年に発売された「ウルトラヘブン」の存在です。
これはドラッグで自由に気分を変えることができるようになった近未来を舞台に、謎のドラッグ「ウルトラヘブン」を巡って自らの根源へと肉薄していく主人公を白黒の紙媒体とは信じられないほどめくるめくサイケデリックで緻密な描写で描いた作品。
特にヴィレッジヴァンガードが「ウルトラヘブン」を全力でプッシュしたことで、それまでに比べてより多くの漫画ファンが小池桂一作品に触れることができるようになりました。
しかしその極端な寡作と遅筆から4年に1度、オリンピックの年だけ登場する「こち亀」の日暮さんに例えられるなど、続編を待つファンはやきもきさせられています。なお、現在「ウルトラヘブン」の最新刊である第3巻が2009年に発売されたきり、6年が経とうとしています。
そんな中で幻の作品とされていたデビュー作「ウラシマ」が竹熊健太郎さんが責任編集を行うウェブ漫画サイト「電脳マヴォ」にて本日公開されました。単行本への収録などもなく、実に38年ぶりの登場とのことで、必読と断ずるにいささの躊躇もありません。
以下のページから全編無料で読むことができます。見開き、スクロールから選んでクリックしてください。
電脳マヴォ 竹熊健太郎責任編集の無料オンライン・コミック・マガジン 小池桂一 JUMP OFF
なお、1年前になりますが竹熊健太郎さんは小池桂一さんについてツイッター上で以下のように回想しており、電脳マヴォへの掲載を計画している旨を呟いていました。
編集家・竹熊健太郎氏が語る小池桂一という漫画家と漫画の新人賞「手塚賞」が天才を見出していた当時の話 – Togetterまとめ
今後も小池桂一さんの他の幻の作品も電脳マヴォ上で読めることになるかもしれません。

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麻薬や覚醒剤より危険!神奈川県の「危険ドラッグ啓発CM」がトラウマレベルに恐ろしい

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神奈川県の作成した危険ドラッグの恐ろしさを伝える啓発CMが恐ろしすぎると話題になっています。詳細は以下から。

話題になっているのは神奈川県が制作し、神奈川県内の駅などで放映されている「危険ドラッグ啓発CM」。
危険ドラッグの恐ろしさについてはまだ脱法ハーブと呼ばれていた頃からBUZZAP!でもお伝えしてきましたが、まさにその「麻薬や覚醒剤より危険」な実態を如実に映像化しています。

【再掲】脱法ハーブがマリファナよりも危険であると言われる理由とは? | BUZZAP!(バザップ!)
なお、上記記事を掲載した時期に比べて現在は危険ドラッグへの規制がさらに強化され、イタチごっこ状態で次々と大麻の有効成分などとは遠くかけ離れた強烈で危険な作用を持つ製品が業者らによって濫造されることとなりました。

当初からどんな化学物質がどれくらい使われているかが分からず、実験や研究もされないままに売られていることから医師も対処が非常に困難いう話はありましたが、ここに来て本当に「麻薬や覚醒剤より危険」であると自治体が断言するレベルの危険性を孕むようになっています。


そうした意味ではこの神奈川県のCMには誇張は一切なく、危険ドラッグの本当の恐ろしさを正しく伝えていると言えます。動画は以下から閲覧可能です。
神奈川県 危険ドラッグ啓発CM – YouTube

危険ドラッグ、完全に「ダメ・ゼッタイ」です。

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覚醒剤で逮捕の野田毅議員「元」秘書、「逮捕前日の依願退職」という闇

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Photo by Michael Allen Smith
10月6日に報道された自民党の野田毅税調会長の「元」私設秘書の覚醒剤使用容疑での逮捕。その経緯が恐ろしい闇であると話題になっています。

問題となっているのは自民党の野田毅税調会長の「元」私設秘書の藤木寿人容疑者。藤木容疑者は覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで10月1日に熊本県警に逮捕されたことが10月6日に報道されました。
ほぼすべての報道で「元秘書」とされているのですが、実はこの藤木容疑者、秘書を退職したのは逮捕の前日の9月30日で、両親と一緒に事務所を訪れ、私設秘書を依願退職したということ。退職理由として二子石信介秘書長は熊本市の事務所で「一身上の都合を理由に9月30日付で退職願を受け取った」と回答しています。
つまり、覚醒剤で逮捕される前日に秘書を依願退職したために藤木容疑者は「野田毅議員の秘書」ではなく「野田毅議員の『元』秘書」になったというわけです。ネットを始めこのあまりのタイミングの不自然さに関係性を疑う声が続出していますが野田事務所は「退職理由と今回の事件は関係ない」とコメントしています。
ポイントとなるのは熊本県警が任意の尿検査を行なって陽性反応が出たタイミングですが、この時期についてはいずれの報道でも明確になっていません。
藤木容疑者の逮捕に関しては、読売新聞の報道によると覚醒剤の密輸グループの捜査過程で、譲渡先として藤木容疑者が浮上したため、顧客の疑いで尿検査を行ったとされています。また、朝日新聞によれば藤木容疑者の両親は野田毅議員の後援会の幹部であり、藤木容疑者は10年ほど前から地元で私設秘書をしていたが、居場所が分からなくなったり、連絡が取れなくなったりすることが多くなったため9月30日に依願退職したと報じています。
藤木容疑者は容疑を否認していますが、警察は藤木容疑者が覚醒剤を常習的に使っていたとして追求する方針。今後藤木容疑者が野田毅議員の「元」秘書以前の野田毅議員の秘書であった時代から覚醒剤を使用していたことが明るみに出る可能性も少なくは無さそうです。
(Photo by Michael Allen Smith)

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家族に喫煙者がいる子供は虫歯の可能性が最大2倍以上に

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Photo by alex yosifov
あなたが止められないタバコが子供の歯をボロボロにするかもしれません。詳細は以下から。

京都大学の川上浩司教授と田中司朗准教授らのチームが本日発表したところによると、家族に喫煙者がいる子供は受動喫煙によって虫歯になる確率が、家族に喫煙者がいない子供に比べて最大で2倍以上になるということです。
研究チームは神戸市で2004年から2010年に生まれた76920人の子供と家族のデータを解析。生後4ヶ月での受動喫煙の状況と、3歳時点で1本以上の虫歯や葉の欠損、治療歴があるかを調べました。
その結果、家族に喫煙者がいる子供は55.3%に上り、家族に喫煙者がいない子供に比べて虫歯になる可能性が1.46倍になっていました。また、その中でも子供の門前でタバコを吸う過程ではなんと2.14倍にまで高まっていました。
いったいなぜそんな違いが生じるのでしょうか?これまでの研究では受動喫煙によって唾液の成分が変化し、虫歯の原因菌が集まって歯垢や虫歯ができやすくなる可能性が示されています。
妊娠が判明した時点から飲酒や喫煙を止めるお母さんは多いですが、子供の健康な発育のためには家族ぐるみでの強力が必要だと言えそうです。
東京新聞 受動喫煙の子は虫歯2倍 京大チーム発表 社会(TOKYO Web)
受動喫煙:3歳までに子どもの虫歯2倍 家族の煙で – 毎日新聞
(Photo by alex yosifov)

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【納得】チーズにはドラッグ並の依存性があることが判明

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Photo by Ntcrwler
みんな大好きなチーズ。そのチーズには違法薬物に匹敵する依存性があることが研究で判明しました。詳細は以下から。

アメリカ国立医学図書館の発行した研究によると、チーズは単に美味しいだけでなく強い中毒性をもっているとのこと。
ミシガン大学の研究者らは500人の学生を対象に、自分が食べたくて仕方のない食べ物についてのアンケートを実施。その結果によるとピザがすべての食物の中で最も依存性が高いということが判明しました。
最初の学生らへの調査では高脂肪食が最も依存性が高いとの結果が出され、次の調査では加工食品に高い依存性があるとの結果が出され、研究者らはより加工されて脂質を多く含む食品ほど依存症になりやすいと結論づけました。
チーズ依存症の鍵となるのはカゼインと呼ばれるタンパク質。チーズから発見されたカソモルフィンと呼ばれるアヘン様物質を放出します。Physicians Committee for ResponsibleのNeal Barnard博士によるとチーズは「乳製コカイン」だとのこと。
平均的なアメリカ人は年間に16kgあまりのチーズを食べるということで、依存性は並大抵のものではありません。特にピザはチーズの依存性に加えてトマトソースに入っている糖質、そして生地の炭水化物など、依存性の強い材料のオンパレードとなっています。
確かにチーズたっぷりのピザもハンバーガーもパスタも食べ始めると止まりません。「美味しいから」を超えた依存性の存在は確かに納得です。
それにしてもこの調査、日本人を対象にしてみたらどんな食べ物が依存性が高いとされる結果になるのでしょうか?ラーメンや焼き肉は間違いなく上位に食い込んできそうですね。
Cheese is addictive as drugs, study finds – Telegraph
(Photo by Ntcrwler)

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臨死体験の原因物質?「魂の分子」とまで呼ばれたドラッグ「DMT」とは何なのか

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Visual by VJ Spike-Bloom
死の間際に白い光や三途の川を見る臨死体験。それがある物質によって引き起こされていると考える学者たちが存在しています。

死に直面し、その後に蘇生した人が時に経験するという臨死体験。白い光、三途の川、神との対話、死者たちとの語らいなど、極めて宗教的な体験の記録は世界中に存在しています。
死後の世界の有無とは別問題に、そうした極限状態で臨死体験と呼ばれる種々の体験が報告されていることは間違いなく、ではそうした体験がなぜ引き起こされるのかを考える学者たちが存在しています。
ハンガリーのデブレツェン大学のEde Frecska博士らのチームはこの臨死体験がある幻覚作用を持つ物質によって引き起こされると考えています。その物質の名前はDMT(ジメチルトリプタミン)といい、死に直面して酸素の供給が途絶えた際、脳細胞が自らを生きながらえさせようとするための決定的な役割を果たしているとのこと。ただし、現時点ではDMTの臨死状態での働きは明らかになっていません。
Frecska博士によると、DMTは体内で生成される分子の中で、酸素欠乏によって生じる酸化ストレスと呼ばれる細胞ストレスに対して防衛的な役割を果たすシグマ1受容体と関係する数少ない物質であるとのこと。加えて、DMTが血液脳関門を超えて脳に作用することから、DMTは脳に対してなんらかの必要な役割を持っているということです。
DMTが酸化ストレスから細胞を守るという役割を持っているとすると、結果的にDMTの働きによって無酸素状態で生き延びられる時間が延長され、脳へのダメージが防がれることになります。Frecska博士らはこの仮説が確認されれば、心臓発作や卒中の発作を起こした人が脳へのダメージを最小限に抑えるための実際的な応用が可能だとしています。
博士らは現在培養した神経細胞を用いた実験のためにクラウドファンディングでキャンペーンを実施しています。実際には人間での実験を目指しているのですが、DMTは現在厳しく規制される「ドラッグ」の扱いとなっています。
1990年代にニューメキシコ大学でRick Strassman博士によって行われた実験では被験者の多くが臨死体験に似た極めて深い宗教体験をしており、Strassman博士はDMTに「魂の分子(Spirit Molecule)」とのニックネームを付けました。また南米アマゾンのシャーマンらの行うセレモニーにおいてはDMTを含むアヤワスカという飲料が用いられ、ペルーやブラジルでは現在も宗教儀式として続けられています。
アヤワスカの体験談などを読むとDMTが臨死体験と関わりがあるということも少しは想像できるものの、酸欠状態で脳を生き延びさせるという役割が確認できれば宗教儀式に用いられる幻覚剤というだけでなく、もっと大きな役割を果たすことになるかもしれません。
なお、アヤワスカを摂取した時の臨死体験のような状態とはどんなものなのか、こうした動画作品も作られています。
Rainbow Candy -D.M.T. Taste- – YouTube

What DMT is like – DMT Trip Simulation (1080p) – YouTube

Scientists Are Trying To Figure Out What The Spirit Molecule Does IFLScience
(Visual by VJ Spike-Bloom)

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マジックマッシュルームによる幻覚作用の定量的測定が可能に、科学者らが主張

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Photo by Zhi virgo
向精神性の作用を持つ物質は濫用されれば危険ですが、正しく使われれば治療に大きな役割を与える事にもなります。そんな物質の精神への作用を定量的に測定できるようになったとの報告が行われました。

1930年代のLSDの発見以来、幻覚作用を持つ物質を精神障害の治療への活用を考える心理療法家は存在していましたが、これまではそうした方針が医療界から広い支持を集めることはできませんでした。
もちろん違法薬物としての指定があったことは大きな要因ですが、それらの物質のもたらす幻覚作用が非常に独特で奇異なものであり、それゆえに分析が困難であったことも理由のひとつとして挙げられるでしょう。
ジョン・ホプキンス大学医学部の精神病医と神経科学者らからなる研究チームMEQ30(30-item Mystical Experience Questionnaire)は精神薬理学のジャーナル「Journal of Psychopharmacology」に論文を発表、マジックマッシュルームに含まれるシロシビンと呼ばれる幻覚物質による神秘体験を研究する方法を発見したと報告しました。
その報告によると、幻覚物質によって引き起こされる「神秘体験」は大きく4つの特徴に分けることができます。そのひとつが「神秘主義」的感覚、これは神性の知覚もしくは全てのものとの合一を意味します。他には「肯定的な空気」「時空の超越」「言葉にできない神聖さ」が挙げられています。
MEQ30は過去に研究所をベースに行われた184人の被験者へのシロシビンの投与とその体験の記述のデータを元に、幻覚作用の定量化に成功しました。
例えば「神秘主義」の度合いを測るためにMEQ30は被験者に対し、どの程度強く「究極的実相」を感じていたかを質問します。また「時空の超越」では被験者がどれほど「通常の自分がどこにいるかの認識」から離れていたかの度合いを聞き出します。
また、こうした幻覚の計測データは長期的なシロシビン投与の効果を予測することもできるといいます。実験データではより強い神秘体験をした被験者ほど、より将来的に継続的な精神状態の改善がレポートされています。別の研究ではシロシビンで「完璧な」神秘体験をした被験者が14ヶ月後にも幸福感の増加や人生への満足を得られていたことが報告されています。
論文の著者によると、現時点では神秘体験の生物学的メカニズムは特定されていないとのことですが、近年の研究では大奥の成果が挙げられています。例えばインペリアル・カレッジ・ロンドンの研究ではシロシビンが脳の「自我」に関係する部分の活性を低下させ、同時に脳の別の部分でのやりとりが活発化しており、それによって夢を見ているような状態になっていることが分かっています。
シロシビンなどの幻覚物質が脳内のやりとりと接続を活発にすることによって神経活動を活性化させることから、「サイコインテグレーター(精神統合物質)」として考える見方も徐々に強くなっています。
こうした働きがどのように精神障害の治療に応用できるのか、まだまだ研究は始まったばかりですが、難しさは物質の効果だけを測定しても実際に何が起こるかを正確に知ることができない点です。
幻覚物質の効果を決めるのは単純に物質の種類と量だけではありません。セット(精神状態・マインドセット)やセッティング(物理的な周囲の環境・準備)などによりこうかは劇的に増減しますし、これらが悪ければいわゆるバッドトリップと呼ばれるような錯乱状態に陥るケースもあります。
未だ解明しきれない神妙なる人間の精神。そこに作用する物質の働きも全てを測ろうとするのはまだまだ困難。実際に治療に使われるようになるとしてもまだまだ先のことになりそうです。
Scientists Can Now Measure The “Mystical” Effects Of Magic Mushrooms IFLScience
(Photo by Zhi virgo)

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違法薬物のケタミンに「即効性の抗うつ剤」としての絶大な効果が示される

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Photo by Wikipedia
現在は違法薬物扱いされているケタミンが、うつ病やPTSDに対する即効性のある治療薬として活用できる可能性が示されています。詳細は以下から。

元は麻酔薬として開発されながら、ドラッグとして乱用されたことから違法薬物に指定されているケタミン。ですが、即効性の極めて効果の高い抗うつ剤として大きな注目が集まっています。
そもそもケタミンは呼吸を抑制せず筋肉注射によって投薬が可能なため、安全で使いやすい麻酔薬として世界保健機関によって必須医薬品として認識されており、獣医師や大型動物を用いる研究機関では常備されています。
1962年にアメリカ合衆国の製薬会社パーク・デービス社によって初めて合成されましたが1970年代から乱用が始まりました。90年代のクラブシーンでは「スペシャルK」の名前で一時広く流通しましたが、麻酔薬であることから幻覚と共に強い鎮静作用を発すため、踊るには適さず廃れています。
抗うつ剤としてのケタミンは、効果があらわれるまでに数週間から数ヶ月を要する従来の抗うつ剤である選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)に比べて即効性と呼べるほどに極めて早く、数十分から数時間で効果をがあらわれます。
また、ケタミン自体が体内から排出された後も長くその効果が続く他、うつ病患者に見られる自殺念慮も即座に無くなるとのこと。なお、抗うつ剤としてのケタミンの摂取量は麻酔に用いられるよりも遥かに低量で効果を発し、医師のコントロール下での投薬であれば体へのダメージや中毒性の心配もないとのこと。
ケタミンは少量の摂取でも幻覚や分裂性の向精神作用が現れますが、鼻腔内投与を行えばそうした効果は最小限に抑えることが可能。現在アメリカ精神医学会(APA)はこうした証拠を元にタスクフォースを立ち上げ、うつ病やPTSD患者への投与の推奨を勘案するまでになっています。
ワシントン・ポスト紙はケタミンをうつ病治療に用いた46歳のビジネスエグゼクティブ、Dennis Hartmanさんの事例を紹介しています。それによるとHartmanさんは深刻なうつ病を患っており、25年に渡る治療の中で18種類の抗うつ剤と精神安定剤を用いてきました。
Hartmanさんはケタミンを用いた治療を人生の最後の治療とすることに決めており、効果がなければ自殺するつもりでした。しかし40分のケタミン投与の後、数時間も経たないうちに彼の自殺念慮は綺麗さっぱり消え失せていたのです。Hartmanさんは以下のようにワシントン・ポスト紙に述べています。
私の人生は最初のケタミン投与前と投与後にはっきりと分けられるだろう。苦痛はさっぱりと消え去って行った。苦痛がないということに戸惑うほどに。
現在の日本では2007年に麻薬指定されたことによりケタミンの取り扱いは極めて難しくなっていますが、社会に蔓延するうつ病に対しての有効打である以上、ダメゼッタイでは済まされない場面と言えそうです。
Onetime party drug hailed as miracle for treating severe depression – The Washington Post
Ketamine Could Be Approved To Treat Depression IFLScience
(Photo by Wikipedia)

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20種類の「ドラッグ」の効果を、実体験したアーティストがイラストで表現するとこうなる

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向精神作用のある物質を摂取すると何が起こるのか?実際に摂取してイラストとして表現したアーティストの作品です。

アメリカ合衆国のサンフランシスコで活動するグラフィックデザイナーのPixel-Pushさんは20日間に渡って合法、非合法の「ドラッグ」と呼ばれうる向精神作用を持った物質を摂取。その際に見えたものや感じたものをイラストとして表現しました。
ここで摂取された「ドラッグ」にはコカインやMDMA、アンフェタミンのような違法薬物から、アルコールやエーテル、大麻の有効成分であるTHCのように合法的に(カリフォルニア州では医療大麻は合法)入手できるものまで様々。いったいどのように違っているのでしょうか?アルコールのイラストを手がかりに思い描いてみるのもいいかもしれません




















最後の日に摂取したのが「愛」というのは少々できすぎたオチではありますが、結局はどんな物質よりも人の心に芽生えた愛が最も強い「ドラッグ」なのかもしれません。有史以来人類が常に追い求め、時に溺れ、数え切れない芸術のテーマと犯罪の動機となってきた愛、摂取の際は十分にお気をつけて…。
Artist Creates Illustrations Under The Influence Of 20 Different Drugs For 20 Days Straight
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臨死体験の原因物質?「魂の分子」とまで呼ばれたドラッグ「DMT」とは何なのか | BUZZAP!(バザップ!)

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LSDを使用すると脳が赤ちゃんに戻る?世界で初めて「忘我の境地」のイメージ化に成功

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Visual by VJ Spike-Bloom
60年代のヒッピーカルチャーを彩るドラッグ、LSD。謎に包まれた脳への影響が世界で初めて可視化されました。

1960年代にティモシー・レアリーらの活動によって若者たちの間に広まり、ヒッピーカルチャーに決定的な役割を与えたサイケデリック・ドラッグ、それがLSD(編集部注:リゼルグ酸ジエチルアミドのこと。Lucy in the Sky with Diamondsの略ではない)です。

Lucy in the Sky with Diamonds (Official Video) HD 投稿者 robomartian
LSDを摂取した際には極彩色の幻覚が見えるなどの効果が知られている一方、自我の消滅する「忘我の境地」や大宇宙や神と合一する「ワンネス体験」をするケースも顕著。インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究者らのLSDの脳への影響を調べる新しい研究では、こうした現象の根底にあるプロセスを探ろうとしています。
WALACEA crowdfunding video for Worlds first LSD Brain Imaging Study – YouTube

研究の共著者Enzo Tagliazucchi博士によると、研究チームはLSDの神経学的な効果を観察しようと努め、特に視覚的な幻覚に注目しました。しかし驚いたことに、最も特徴的なLSDの効果はそうした視覚効果ではなく、自我の溶解にありました。
実験では20人の健康なボランティアに対して75μgのLSDもしくはプラシーボの生理食塩水を注射し、fMRIを用いて被験者らの脳をスキャン。ASL、BOLD、MEGという3種類の測定方法を用いて脳の活性状態を調べ、その後被験者らの主観的なLSD体験を聞き取り、LSDの効果と神経学的プロセスをすり合わせようとしました。
その結果、LSDの最も顕著な特徴が「自我の溶解」であることが判明。これはつまり「自分自身を個別の存在であると認識する能力を本質的に失い、自己認識ができなくなる」ことを指します。この状態と極めて強い関わりを持つのが内観ネットワークとも表現し得るDMNと呼ばれる部位。DMNは脳の様々な自己に関する部位のネットワークで、自分自身を内省している時に活動的になります。
通常これらの脳のネットワークは安定して揺るぎないものなのですが、LSDの注射の後に起こったのは、このDMNと外部世界を認識する部位で処理される情報の過剰接続とも呼べる現象。これによって自分と外部の間にある自他の区別という確固たる障壁が揺らぎ、場合によっては完全に消滅してしまいます。

LSD注射後は目をつむり、安静にしていたはずの被験者らの脳は内省の時に活性化するDMNだけでなく、広範囲に渡って活性化していることが一目瞭然です。

そして興味深いことに、脳のこの状態が何に似ているかというと、赤ちゃんの脳の状態に非常に似ているとのこと。大人の脳は成長の過程で強力に区分され、無理矢理に仕立て上げられているけれど、LSDを摂取した状態の脳は自由で感じやすく、創造的な赤ちゃんの脳に近いというのです。
LSDの摂取によって今までの自分が死に、新たな自分に生まれ変わるという体験談もありますが、それは自我が溶解し、赤ちゃんのようなまっさらな脳に一時的に戻るという体験を意味しているのかもしれません。
Trippy Visual Rainbow Candy -Twisted LSD- Taste [HD] – YouTube

この研究は今後も継続されるもので、心理療法的な治療にとって画期的な成果を上げることも期待されます。以前BUZZAP!では違法薬物とされているケタミンが「即効性の抗うつ剤」としての絶大な効果を持っていることを伝えましたが、LSDによる研究が進むことでサイケデリック・ドラッグとされる向精神物質の精神疾患治療への応用の道を切り開くことに繋がる可能性もあります。
First Images of the Brain on LSD Show Ultra-Connected State of Consciousness
Study Shows How LSD Mimics Infant’s Mind as Ego Dissolves Big Think
Researchers Have Imaged The Brain On LSD For The First Time IFLScience
(Visual by VJ Spike-Bloom)

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違法薬物のMDMAが「精神療法のための医薬品」として2021年にも合法化か

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パーティドラッグとして知られるMDMA、精神療法の一環として合法化に向けた動きが活発化しています。詳細は以下から。

90年代のレイヴカルチャーを彩ったパーティドラッグ、「エクスタシー」の主成分として世界中に広まったMDMA(3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン)。現時点では世界中の国で違法薬物として禁止されていますが、国際的な研究者のネットワークが幅広い臨床試験を実施しており、最短で5年後には薬局で処方されるようになるかもしれません。
MDMAの危険はこれまでも指摘されてきましたが、その危険性の大きな理由のひとつは違法であるが故に正式な規制を受けておらず、粗悪な混ぜ物が添加されてきたことにあります。
しかし、医学的に管理された状態での摂取実験によって、この物質が精神療法上の意義深い潜在能力を持っていることが明らかにされています。この大きな理由はMDMAが脳に対し、「気分」を規定する鍵となる役割を担う神経伝達物質、セロトニンを大量に分泌させることにあります。この効果は摂取者の開放性と自分と他人に向けた愛を増幅させる効果を持っており、かつてレイヴカルチャーでは「ラブドラッグ」と呼ばれた他、「共感をもたらすもの(empathogen)」という呼び名もあります。
アメリカ合衆国のカリフォルニア州サンタクルスに拠点を置くサイケデリック研究学際組織(Multidisciplinary Association for Psychedelic Studies、通称:MAPS)は世界中のMDMAを用いた実験に資金を供給しており、合法的な医薬品としてのMDMAの効果と安全性を証明しようとしています。現在は2021年に精神療法用に使用される薬品として米国食品医薬品局(FDA)から承認を得ようとしています。
例えばロサンゼルスでは研究者らはMDMAが自閉症の成人の社会的不安を減退させる効果について研究を行っています。一方カリフォルニア州では末期的な状態の病人が症状と折り合いを付ける上でどのように使えるかを研究しています。また、カナダの研究者らはPTSDの緩和にMDMAが使えるかについて調べているところ。
MAPSがサポートする実験の多くは現在効果と安全性を比較的少人数の被験者でテストするフェイズ2の段階にあります。このステージがパスできれば、大きな集団の被験者を集めてより広範囲に詳細を研究するフェイズ3へと移行するとのこと。実験は着々と進んでおり、遅かれ早かれMDMAの精神療法用の医薬品としての合法化が行われることは間違いなさそうです。
先にBUZZAP!では現在違法薬物とされているケタミンやLSDの精神療法上の可能性についてもお伝えしましたが、かつてはドラッグとして闇社会で扱われていた物質が医療用として研究され、人々の精神的な健康を回復させるために使われるようになるのだとしたら、ようやく正しい使い方にたどり着いたと言うべきなのかもしれません。
MDMA Could Become A Legal Medication By 2021 IFLScience

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いかなるドラッグもキメず、脳の力だけで簡単に幻覚体験できる方法

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Visual by VJ Spike-Bloom
どんな物質にも頼らず、脳の力だけで幻覚体験できてしまう方法が紹介されています。詳細は以下から。

ある種のドラッグを用いた際、もしくはなんらかの極限状態に陥ったり、瞑想が佳境に入った時などに発生する幻覚体験。実はある方法で簡単に体験できてしまうのです。
幻覚というのは突き詰めて考えれば脳の作用。ドラッグと呼ばれる物質の中には脳に働きかけ、なんらかの幻覚を見せるものが存在しています。もちろんそうした物質を摂取せずとも、脳の活動が非日常的な状態に置かれた場合、何らかの幻覚体験を行うことも十分にあり得ます。
では、意図的にそうした非日常な状態に脳を置いて幻覚を体験することは可能なのでしょうか?YouTubeチャンネルScam Schoolは「全体野(ガンツフェルト)効果」と呼ばれる現象を用いていかなるドラッグを摂取することなく、幻覚体験に至る方法を紹介しています。
全体野というのは視覚や聴覚などのインプットが完全に均一な状態のこと。かつてはテレパシーの実験などにも用いられたこともある、極めて怪しげなイメージの伴う概念ですが、あらゆる個別具体的な刺激をストップさせた、均一な状態を指します。難しそうですが、準備は簡単です。
必要なものは数枚の白い紙と化粧用のコットン、ゴムバンド、そしてYouTubeなどにある30分以上のホワイトノイズ(間違ってもノイズ系アーティストの作品を使ってはいけません)の動画です。例えば以下のようなもの。
【最高のヒーリングNo.18】快眠にホワイトノイズ♪ 自然音 – YouTube

【集中脳波】 集中できるホワイトノイズ 2時間 【勉強用】 Noise 2 Hours – YouTube

白い紙はプリンタ用紙のような薄いものが適しており、光を通さない分厚い紙ではいけません。その紙を大きめのアイマスクのように切り、両端をキツくなりすぎないように(ただし外れないように)ゴムバンドを取り付けます。鼻のところから光が入らないようにコットンで塞げばできあがり。こんな感じです。

これで視覚が完全に均一な真っ白になればOK。イヤホンかヘッドホンを付けてホワイトノイズを再生し、横たわります。この時服装はできるだけゆったりした格好になり、部屋の温度も暑すぎたり寒すぎないように調節していきましょう。全ての準備が整ったら30分間、動かず、喋らず、目をつむったままにもせず、均一な視野とホワイトノイズに身を任せましょう。

いったい何が起こるのか、以下の説明動画の6:00辺りから実体験したふたりの興奮気味の会話を聞くことができます。
Creating REAL HALLUCINATIONS Without Drugs – YouTube

ここで起こっているのは視覚と聴覚の非構造的な刺激が継続する中で、脳が何らかのパターンを認識しようと働き、無意味な感覚的ノイズの中に何らかの形を見いだしていくという現象。どこかで聞いたことがある…と思った方は大正解。以前BUZZAP!でも取り上げたGoogleの画像認識機能を持つ人工神経回路網「Deep Dream」がランダムなノイズから極彩色の夢を紡ぎ出していく過程と同じなのです。








いかがでしょう。興味が出てきましたか?心地の良い週末、脳内マジカルミステリーツアーに出発してみるのもまた面白いかもしれません。
How To Make Yourself Hallucinate Without Taking Any Drugs IFLScience
(Visual by VJ Spike-Bloom)

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中学2年生の85%「え、危険ドラッグ?普通に手に入るけど?」、小学5年生でも7割以上

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危険ドラッグの魔の手が小中学生にまで広がっているようです。詳細は以下から。

横浜市が市内の小中学生約1800人に対して「入手できると思うか」と質問したところ、「できる」との回答が小学5年生で71%、中学2年生ではなんと85%にも上ったことが明らかになりました。
横浜市は市教委と合同で2015年12月に意識調査を実施。小学5年生の児童と中学2年生の生徒計4907人を対象に行われ、37%から回答を得ました。
危険ドラッグについて「希望すればすぐに手に入ると思うか」という問いに、小5の36%、中2の35%が「簡単に手に入る」と回答。「少し苦労するが、何とか手に入る」との回答も小5で35%、中2で50%に上りました。
なお、危険ドラッグの使用に関してはそれぞれ9割以上が「絶対に使うべきではないし、許されない」と回答しましたが、小5の2%、中2の6%が「使うかどうかは個人の自由」と答えています。
危険ドラッグは元々法規制の対象になっていなかったことから「合法ハーブ」「脱法ハーブ」などと呼ばれ、違法とされるドラッグよりも手軽で、それ故に「大騒ぎするほどでもない、大したことのないもの」という誤った認識が広がっていました。
しかし実際はBUZZAP!でも以前警告記事を掲載したように、危険ドラッグはお酒や大麻はもちろん、ヘロインや覚醒剤よりも恐ろしく、得体の知れない存在です。このように子供の近くに存在する状況は極めて危険、迅速かつ徹底的な対処が必要とされます。神奈川県ではかつてトラウマレベルに恐ろしい「危険ドラッグ啓発CM」が放映されていましたが、効果が無かったということなのでしょうか?

なお、この意識調査では「手に入る」と答えた児童、生徒らが本当に危険ドラッグを入手できる(もしくはできた)かは不明。年代が年代だけに、中二病を発症させたり悪ぶって見せたくて「え、危険ドラッグ?手に入るけどなにか?」と答えていた可能性もありそうですが、実態が気になるところです。
薬物入手、中2の85%「できる」…横浜市調査 社会 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

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マジックマッシュルームに重篤なうつ病を和らげる効果が発見される

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Photo by Zhi virgo
違法薬物のケタミンに続き、マジックマッシュルームにもうつ病治療の効果が発見されました。詳細は以下から。

先日BUZZAP!では現在世界中で違法薬物に指定されている麻酔薬、ケタミンが「即効性の抗うつ剤」としての絶大な効果を持っていることが判明したとお伝えしました。驚くべきことに今度は、やはり違法薬物として規制されるマジックマッシュルームにも重篤な鬱病を和らげる効果が見つかりました。ドラッグとは何なのか、もう一度考え直す必要がありそうです。
この研究を行ったのはイギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドン。男性6人、女性6人のうつ病患者に対し、マジックマッシュルームの有効成分である「シロシビン」が投与されました。この12人のうつ病患者は平均で、17.8年という長期間うつ病を患っており、これまでに最低2種類の治療を受けたことがありますが、芳しい効果が見られませんでした。
この結果、被験者の全員がシロシビン投与から3週間以内に著しい症状の改善を経験しました。3ヶ月後には5人の被験者が不完全寛解にまで達し、うつ病の症状や兆候が見られなかったと報告しました。
実験では最初にバッドトリップに陥らないかを試す目的で少量のシロシビンが投与され、その1週間後により多量のシロシビンの投与が行われました。実験は特別に用意した部屋で行われ、そこでは音楽が流され、2人の精神科医が常に被験者らに話しかけていました。サイケデリック体験は5時間ほど続いたとのこと。
被験者のひとり、ロンドン在住の45歳のKirk Rutterさんは母親の死からうつ病になり、カウンセリングや投薬治療でも治りませんでした。彼はこう語っています。
どちらのシロシビン投与でも私は「サイケデリックな乱気流」とでも呼ばれる状態を経験しました。これはサイケデリックな状態への変遷期で、寒さと不安を感じました。ですがその状態はすぐに過ぎ、ほぼ快適で、時に美しい経験をしました。
セッションの中では試される瞬間もありました。例えば私は重篤な病気の母親と病院にいるという体験をしました。そしてシロシビン多量摂取のセッションの時、私は自分の回復を妨げ、それゆえに母と繋がり続けることを可能としてきた深い悲しみを潰瘍として視覚化しました。しかしながら、記憶を巡り、母との関係の中で愛を感じたことにより、私は悲しみを手放すことが母の記憶を手放すことではないと知ったのです。
現在主にうつ病治療に使われているSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)で不完全寛解に至る割合は20%台となっており、効果の著しさがうかがえます。なお、全員がシロシビン投与前と投与中に一時的な不安を訴えましたが、それ以外の副作用は研究の間は報告されませんでした。初めてサイケデリック・ドラッグを治療のために摂取するのですから当然と言えば当然ですが…。
なお、この実験は被験者の母数が極めて少ないこと、プラシーボを使った対照実験を行っていないことから、実験としての信頼性が高くないことは研究者らも認めるところ。マジックマッシュルームはサイケデリック体験を伴うことから、プラシーボかどうかが容易に被験者に分かってしまうため、これには困難が伴うとのこと。
ですが、この前向きな結果は政府に働きかけ、医学界の違法薬物研究に一石を投じることになりそうです。これは先日お伝えしたケタミンと同様に、現代では嗜好品のドラッグとして規制されている物質が、真摯な科学研究によって有用性が発見されたケースとなります。
単に規制すべき厄介物と思われていたこれらの物質が、多くの精神的な病を抱える現代の人々の希望の星となるのかもしれません。
Magic mushrooms lift severe depression in clinical trial Science The Guardian
(Photo by Zhi virgo)

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大人気のカクテル「レッドブルウォッカ」にはコカイン並の「影響」があるという研究報告

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バーやクラブの定番メニューとなった「レッドブルウォッカ」、安易に飲み過ぎるのは危険なようです。詳細は以下から。

お酒を飲む人もレッドブルなどのカフェイン入りエナジードリンクを飲む人も、現代社会では珍しい存在ではありません。ですが、そのふたつを混ぜて飲むのは科学的にはあまりおすすめはできないようです。
「レッドブルウォッカ」などとしてバーやクラブなどで人気となっているのが、エナジードリンクと強いスピリッツを混ぜ合わせたカクテル。テキーラのショットなどに比べて口当たりが良く、お酒も強い上にエナジードリンクの効きも上乗せされるため、夜遊びに最適なドリンクとして飲まれています。
ですが、アメリカ合衆国インディアナ州のパデュー大学のRichard van Rijn准教授らの研究チームによると、この組み合わせは長期的に見てコカインを消費し続けるのと同じような変化をもたらします。
研究チームは若いマウスにカフェインとアルコールを混ぜた飲料を摂取させ続けたところ、自発運動量が活性化。これはカフェインだけの場合には見られない特徴で、若い時にコカインを摂取していた者が大人になった際に見られる反応だとのこと。
また、それだけに限らず行動反応が敏感になって増加したとのことですが、これもコカイン摂取に伴う後遺症的な反応です。Richard van Rijn准教授はこの結果に対し
アルコールとカフェインというふたつの物質が同時に摂取されることで臨界を超え、行動や脳の神経化学的な変化をもたらしたのではないか。明らかにどちらかだけを摂取した時には見られない効果をこのカクテルの場合には見て取ることができる。
と述べています。いったいどうしてこれらのカクテルがコカインを摂取し続けた時のような効果を現すかという理由については
薬物中毒者が薬物を止められない理由のひとつとして、脳に起こった変化が挙げられる。アルコールとカフェインのカクテルに晒されたマウスは、コカイン中毒の大人のマウスと同様に、報酬系が麻痺してしまう。
とのこと。元々ダウナー系のドラッグとアッパー系のドラッグを混ぜ合わせて摂取すると、一時的に極めて「ハイ」な状態になるため、「スピードボール」などと称して消費されたり、粗悪な違法薬物の効果を高めるために混入されてきた歴史があります。ただし、この「スピードボール」は極めて危険で死亡例も多い禁じ手とされてきました。
カフェインがアッパー系の物質であり、アルコールがダウナー系の物質であることは実感できると思われますが、レッドブルウォッカのようなどちらの濃度も高いカクテルは極めて身体や脳に対する刺激が強く、その分負担も大きくなります。
カフェイン中毒やアルコール中毒といった言葉が存在するように、いずれも単体で依存症に陥る向精神性をもった物質ですが、レッドブルウォッカはそれらを混ぜ合わせた一種の「合法スピードボール」と言っても過言ではありません。
これからクリスマスや忘年会シーズンが訪れ、ワイワイ飲む機会も増えていくことになりますが、レッドブルウォッカのようなカフェインとアルコールのカクテルは十分飲み過ぎに注意してください。今は大丈夫でも、後々に影響が出てくる可能性を忘れずに。
Drinking Alcohol With Caffeine Is Like Taking Cocaine, Says Science
Mixing Red Bull & Vodka has the same effect as Cocaine [Details Here]

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宗教体験はセックスやドラッグと同じ脳の部位を活性化させる

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Photo by Eddi van W.
「宗教は阿片だ」と述べたマルクスは正しかったということになりそうです。詳細は以下から。

神との邂逅、神秘との融合、悟りといった神秘的な宗教体験を脳神経回路という切り口で見てみた場合、恋に落ちたり、セックスをしたり、音楽を聴いたり、ドラッグをキメたりするのと同じ部分が渇せ課されていることが新たな研究で明らかになりました。
この研究の共同著者であるユタ・スクール・オブ・メディスン大学のJeff Anderson博士は「宗教体験はひょっとすると、善かれ悪しかれ人々が行う決定に最も影響を及ぼすと言えるかもしれない。そうした場合に脳内で何が起こり、決定に寄与するかを知ることは重要だ」と述べています。
信仰が神経学的活動にどのように影響するかを理解するために、研究チームは機能的磁気共鳴画像法(fMRI)をもちいて信心深い19人のモルモン教徒の脳をスキャンしました。全員が元宣教師で、実験中は経典である「モルモン書」の朗読を聞き、また自ら朗読し、聖書の場面の映像を鑑賞しました。
この実験中、被験者は心の平穏や神との接近といった「神秘的なフィーリング」の有無を常時確認され、宗教体験のピークを感じた瞬間にボタンを押すように指導されました。
研究チームがジャーナル「Social Neuroscience」に発表した報告によると、強烈な宗教体験は脳の中隔側坐核と呼ばれる部分の強い活性化に特徴付けられます。中隔側坐核は脳の報酬系の一部であり、この部位はセックス、音楽、食物、ドラッグなどの刺激に応答して快感を生み出すことに深く関わっています。
また、研究チームは同時に、こうした瞬間に理由付けなどの高次認知機能に関係する内側前頭前野の活性化も確認しています。これら2つの発見から、宗教体験は部分的には宗教的刺激の貴重な性質とそれを選ぶ人間の正常な判断によって形作られているということになります。
これはつまり、信仰者は自らの意志によって自らの信仰を選び取っているということになります。あたかもセックス、音楽、食物、ドラッグなどを自らの意志で選ぶように。マルクスは「宗教は阿片だ」と言いましたが、本人の意図とは別に脳神経科学的な意味合いで、この両者に密接な関係があることが明らかになりました。
研究チームはこの結論に対し、多くの結論を導き出すことに警鐘を鳴らしています。そして、宗教体験は個々人や文化によって大きく異なり、それ故に極めて多様な神経学的な原因と結果を生み出しうるとしています。
これは逆から見ると、セックス、音楽、食物、ドラッグといった脳の報酬系に関係する刺激によって悟りや神との合一のような宗教体験の境地にまで至れる可能性があるということ。
セックスを含むタントリック・ヨーガ、ドラミングのような音楽を伴ったシャーマンの儀式、ティモシー・レアリーらによるサイケデリック・ムーブメントなど、人類史にはそうした方向性の試みも数多く存在しています。
宗教体験を脳が喜ぶ快楽刺激であると切り捨てるのか、それともそうした歓びこそが人間にもたらされる究極の救いであると認めるのか、ここでまた新たな宗教論議が始まりそうな発見といえます。
Religious Experiences Activate Same Brain Pathways As Sex And Drugs _ IFLScience
(Photo by Eddi van W.)

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LSDなどの幻覚剤、使用者を「高次の意識レベル」に到達させることが科学的に判明

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スティーブ・ジョブズやジョン・レノンは「今頃何言ってんだ?」とツッコむかも知れませんが、科学的に判明しました。詳細は以下から。

60年代のヒッピームーブメントのあり方を決定づけた幻覚剤、LSD。その影響を受けたサイケデリックな映像や音楽が溢れかえりましたが、彼らが目指したのは知覚の扉を開け、神と合一し、宇宙の真理を体得することでした。
もちろん捜査当局や良識にあふれる一般人からは「それってただドラッグでブッ飛んでるだけの話だろ?」と白い目で見られ、法規制されることになりました。
しかし近年は少しずつ研究が進められ、幻覚剤の一部がうつ病やPTSD、依存症などの治療に有効であるという結果が出されている事も事実。単なる遊び目的のドラッグではなく、医療用の薬品としての使用価値が認められ始めているのです。
違法薬物のケタミンに「即効性の抗うつ剤」としての絶大な効果が示される | BUZZAP!(バザップ!)
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LSDは実は精神の健康にとって有益かもしれません | BUZZAP!(バザップ!)
インペリアル・カレッジ・ロンドンとサセックス大学の研究者らは科学ジャーナル「Scientific Reports」に幻覚剤のLSD、ケタミン、シロシビン(マジックマッシュルームの有効成分)が使用者を高次の意識レベルに到達させるという研究結果を発表しました。
共同研究者のRobin Cahart-Harris博士によると「この研究は幻覚剤の影響下で意識の拡張を経験する際に被験者の能で何が起きているかを理解する助けになる」ということ。そして「被験者らは幻覚剤の影響下での内的洞察を経験しますが、これがサイコセラピーの文脈では有効な結果となって現れることが期待できる」としています。
この研究で使われた指標は「神経信号多様性(neural signal diversity)」と呼ばれるもの。これはある時点での能の働きがどれほど複雑かを査定し、意識レベルの数学的な指標を示すもの。例えば歩いている状態は眠っている状態よりも神経信号が多様であるため、より「高次の意識レベル」となります。
研究者は被験者たちにLSD、ケタミン、シロシビンの3種類の幻覚剤のうちひとつを投与し、この神経信号多様性を計りました。すると驚くべきことに、幻覚剤を投与していない平常の起きている状態に比べてより高い神経信号多様性が見いだされ、この状態でより高次の意識レベルに達していたことが分かったのです。

主任研究者のAnil Seth教授によると、これまで神経信号多様性は平常状態よりも低い値しか検出されてこなかったのですが、世界で初めて平常状態よりも高次の意識レベルが観測されたということです。
スキャンの結果によると、その中でも最も特筆すべき効果が認められたのは知覚を司る部位で、言語や運動を司るところよりも顕著だったとのこと。こうした幻覚剤の働きをコントロールすることで、うつ病などの治療に役立てることができるだろうととしています。

なお、研究者らによると「高次の意識レベル」は「より良い」もしくは「より望ましい」意識レベルのことではなく、神経信号多様性という指標上で数学的に高いというだけであると釘を刺しています。
どのみち、幻覚剤は今後は単なる遊び目的のドラッグではなく、有効な治療法として今後も研究が進められていくことは間違いなさそうです。
Psychedelic drugs induce ‘heightened state of consciousness’, brain scans show _ Science _ The Guardian
First evidence for higher state of consciousness found _ News and events _ University of Sussex
(Visual by VJ Spike-Bloom)

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最も安全なドラッグが11.5万人への大規模調査で判明、意外な結果に

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安全なドラッグといえば依存症にならず、死亡事故も起こらない大麻の名前が挙げられる事が多いですが、大規模な調査の結果はとても意外なものでした。詳細は以下から。

合法、違法を問わず人類に蔓延するドラッグ。覚醒剤やヘロイン、コカインなどのハードドラッグからアルコール、大麻のような国によって合法違法の違いのあるもの、タバコやカフェインのように基本的に合法なものまでそのバリエーションは極めて広大なものです。
そんなドラッグがどのように使われているのかを世界規模で調査しているのがGlobal Drug Survey。2017年版では50ヶ国の11.5万人に対して行われ、名実ともに世界最大規模の調査です。調査対象で最も多かったのがドイツ人の36000人、デンマーク人の13500人、次いでアメリカ人の10100人となります。
Global Drug Survey 2017(pdf)
まず、人生においてドラッグ使用経験の有無ですが、最も多く摂取されていたドラッグはアルコールでなんと98.7%が経験しています。2番目に多かったのが大麻の77.8%。3番目がタバコで63.1%となっており、4番目がカフェイン入りのエナジードリンクで57.5%。5番目が大麻入りのタバコで55.0%です。

(クリックで拡大)
欧米がメインとなっての調査ではありますが、大麻がビールやタバコ、レッドブルなどと同じようにカジュアルに消費されている実態が浮き彫りになっています。
そして、どのドラッグが一番安全なのかについては、この調査では「あるドラッグを摂取した際に応急治療を必要とした事のある人の数」から調べています。それによると、最も安全となるのがマジックマッシュルームの0.2%。これに次いで大麻の0.6%という数字になっています。

マジックマッシュルームはいわゆる幻覚剤と呼ばれる種類のドラッグ。日本ではかつて合法でしたが、2002年に俳優の伊藤英明さんがマジックマッシュルームを摂取して錯乱、自宅近くのコンビニに駆け込んで1時間近く暴れた挙句に救急搬送され、非合法化のきっかけとなるという事件がありました。そうした事例を見ると、なかなか安全だという結果には疑問符も付くところ。
芸能人のタブー・・伊藤英明のマジック・マッシュルーム事件とは?|MARBLE [マーブル]
ただし、現在では医療用としての研究が進んでおり、重篤なうつ病の症状を和らげる効果が実験によって示されるなど、単なるドラッグと呼ぶにはふさわしくなくなってもきています。
マジックマッシュルームに重篤なうつ病を和らげる効果が発見される | BUZZAP!(バザップ!)
逆に最も危険なのはメタンフェタミン。シャブやスピードといった俗称でも呼ばれる覚醒剤のことで、4.8%にも及んでいます。これに次いで危険なのが日本では現在危険ドラッグと呼ばれるようになった脱法ハーブ。英語では現在も合成大麻と呼ばれていますが大麻ではありません。そしてその次が1.3%でアルコールとなっています。
動画での説明は以下から。
GDS highlights 2017 – YouTube

欧米の白人が主体の調査ではありますが、自分がこれまで持っていたイメージとどれくらいかけ離れていたでしょうか?違法薬物の危険性と共に、お酒やタバコなどの持つ危険性や依存性なども片手落ちにならないよう、しっかり押さえておく必要があるのではないでしょうか。
Magic Mushrooms Are Safer Than Alcohol, According To Global Study _ IFLScience

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